2011年5月6日金曜日

立夏

ゆく春の うしろを見せる  藤の花  (一茶)

             
 
フジには2種類ある。どちらも山に自生していて、庭にも栽培されている。ヤマフジとノダフジである。一番はっきりした区別点は、ノダフジの蔓は右巻きで、ヤマフジの蔓は左巻きであることである。そのほか、花序が短く、花が少し大きく、早く開花するのがヤマフジ。花序のフサ(総)が長く、花が小さく、沢山つき、後から開花するのがノダフジである。ツル(蔓)の右巻き、左巻きについてであるが、右手でものを握ったときに、親指の向く方向に蔓が巻いていれば右巻き、左手で握ったときの方向に蔓が巻いていれば左巻きである。ヤマフジ、ノダフジともに庭で棚づくりにする。花期:4~5月。分布:本州、四国、九州。[家の光協会発行「原色・山野木(冨成忠夫・秋山久治著)」より]
木本性落葉つる植物。「ゆく春のうしろを見せる藤の花(一茶)」と季節を象徴し、4~5月に薄紫(藤色)あるいは白、淡桃、濃紫色の蝶形花を咲かせる。約9種ある仲間のうち、日本に野生するのは2種。多いのは標準和名をフジというノダフジ(野田藤)で、青森から沖縄までに自生し、庭園ではよく棚作りにされる。ツル(蔓)は横から見て左巻きで、直径10㎝にもなり、推定年齢1000年余りの古木も現存する。花房は普通20~60㎝。園芸品種は花房が1mにもなる’野田長藤’、八重咲きの’八重黒竜’など多様。ヤマフジ(山藤)は、山陰を除く伊豆半島以西に自生し、蔓は右巻き。花房は10~20㎝と短いが、1個の花はノダフジより大きく、園芸上はカピタン(花美短、甲比丹)ともいう。
上の画像のフジ(藤)は、ノダフジ(野田藤)と思われますが、山に自生しているものも本種が多いそうです。複葉の小葉は11~19枚。ヤマフジ(山藤)の複葉の小葉は9~13枚。[講談社発行「野の花・街の花(長岡 求:監修)」より]

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